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幽霊

 

 

 

現代以前の幽霊の概念とは、死者の魂が現世に未練や遺恨があり、それが現世に残り、生前の姿で可視化したものと考えられている。では、新しい幽霊の概念について考えてみる。

 

「幽霊とは、死後、生まれ変わった未来人である。」

 

これが私の考える幽霊の新しい概念だ。生前、世の中に未練や遺恨なく死んだ人にとって、前世は特に気にならない。しかし、前世に未練や遺恨を残して死に、生まれ変わった人には前世の未練や遺恨がついてくるものとする。そんな前世の未練や遺恨を引き継いだ未来人が、前世の生命体の体を借りてそれらを晴らしに来る、これこそが幽霊なのだ。

 

幽霊は日本の特有のものではない。幽霊の概念は、世界共通である。幽霊の私達の一般的な概念は、亡くなってしまった人が魂となって現世をうろつく、亡くなる前にやり残したことがあった人が現れるといったことだろう。日本昔話などによく出てくる幽霊には足がない。私達日本人は幽霊には足がなく浮かんでいるものだと思っているが、日本以外の国では足は普通にあるらしい。恐らく日本と他国の違いといったら、これ位だろう。

 

先日、石川先生の別の授業で、幽霊は不安や恐れ、ストレスが形になって現れてくるものだと仰っていた。私は確かにそうであると思った。なぜなら、幽霊を見たことはないが不安や恐れなどの感情が溜まっている時は大抵夢を見る。更にその内容は、追いかけられたり、閉じ込められたりするものである。幽霊と聞いて、パッと出てくる作品は「貞子」もそうだが、「千と千尋の神隠し」である。「千と千尋の神隠し」は、子供でも見ることが出来る様に工夫されているが、新しい街に引っ越す千尋の不安や緊張、恐れの感情からあの物語は始まっていると思う。

 

私は、普段独り言を話している時幽霊は側にいるのではないかと考える。コミュニケーションは相手がいないと成立しない。だから、独り言は見えない幽霊と話すことによって、コミュニケーションが成り立っているのではないかと考える。

 

また、幽霊の一般的な概念は亡くなってしまった人が現れるとなっているが、未来から来るまだ生きたことがない人が現れる可能性もある。現世はどんな感じだろうと様子を見に来たり、自分の先祖はどんな人だろうと見に来ることもあるかもしれない。もし、自分の先祖(今の私達)が間違った方向に進もうとしていたら、止めてくれるのも幽霊かもしれない。そう考えると、新しい幽霊の概念として、未来から現世に来る魂と考えても良いのではないか。

 

 

・未来妖怪

 

1. ケータイお化け

人々が携帯電話に依存している現代において、携帯電話に感情を吐き出されることで感情が宿ったお化け。メールやSNSの文面を勝手に変えてしまったり、相手から来た文面を変えてしまう。また、どこかに隠れて、携帯電話に依存している持ち主を不安にさせる。時にはお化け化していない他の人の携帯電話もお化け化させて仲間にしてしまう。

 

2. エアコンマン

頻繁に使われすぎて壊れてしまい、捨てられたエアコンに怨念が宿ったもの。冷風または温風とともに負のオーラを吐き出して同じ空間にいる人を暗い気持ちにさせる。

 

3. 読むで書

インターネットや電子書籍が流行してしまったため、誰にも読まれずに放置されてしまった本の妖怪。気づいたらいろいろなところに出没していたり、誰かのかばんにこっそり入っていたりして、ひたすらに自分の存在をアピールして読ませようとする妖怪。

 

Report - 7/23(Tue)

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